《MUMEI》
人間の血
ビュ…

ビュ…

何人もの人を食らうものを
殺しただろうか?

私はもう感情を捨てた

頬には赤い血が――…

「…小夜!!」

七島が私の名前を呼ぶ

でも私は倒れてしまう

バタンッ


「…ん……」

朝の光で私は起きた

私は立ち上がり、二階に降りようとした

「…あれ?……」

立ちくらみをしてしまい、その場に座り込んでしまった

「……あら?小夜?どーしたの?気分悪いの?あっそーだ♪あれを飲ます時間ね」

あれ――…?

あれってなに?

「…お待たせ♪これ、飲んでね・」

なにこれ?

真っ赤なトマトジュース?

私、こんなの飲む気分じゃないのよね

「…ごめん…飲む気分じゃないから……」

「飲まなきゃ、聡ちゃんに怒られちゃう!!それに小夜……これ飲まなきゃ死んじゃうよ?」

死んじゃう――…?

私が死ぬの?

「なっ…なんで?」

私はそう呟き、涙を目にためこう言った

「……なんで死んじゃうの?どうして死んじゃうの?」

「……知らないの?」

奥さまは驚きの顔を見せた

「…ハァー あの人言ってなかったのね……これは人間の血よ あなたは人間の血を飲まなきゃ死んじゃうのよ」

私がいつも飲んでいたのは――…

人間の血――…?

私は人間が血を与えてくれないと死んでしまう?

「……お願いだからこれを飲んでちょうだい…」

「……飲みたくないって言ったら?」

「無理矢理飲ますわ……」

それだけ私のことが大事なの?

気持ち悪くないの?

「……飲むわ……」

奥さまから人間の血を取り、私は飲んだ

ゴクッ

なに――…?

「……美味しい?」

「美味しい……!!今…気持ち悪いって思った?」

「そんなことないわよ…」優しい奥さま――…

優しい笑顔が好き

優しい会話が好き

優しい態度が好き

全部が好きです


こんな私を愛してくれてありがとう

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫