《MUMEI》

…久しぶりだな。

こんな強く人に抱きしめてもらったのは久しぶり。


舞ちゃんは始業式をやる大ホールまで一緒に行ってくれた。

綺麗に椅子が並べてあって、なんと席は自由。

さすがに、学年ごとにだったけど。


校長先生の話が大半を占めた始業式は、意外とあっという間に終わった。


始業式終了後、大ホールの外で学年ごとのクラス表が貼り出されて。


「…むっかつく!私らみたいなチビには見えないじゃん!」

「…ほんとだね…」


人、人、人。

まあ、みんな小学生だから、暑苦しくはないけど…。


「おお、おお、おお!舞!」

「んあ?…お!光介!」


…え?

後ろから男の子の声が聞こえたのと同時に、舞ちゃんが後ろを向く。

友達なのかな?


おそるおそる後ろを向くと、そこにいたのは金髪に近い髪色をした目の大きな男の子。

…何か、チャラそうな感じの。

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