《MUMEI》
彼女の素質
陽菜の細い腕が体を支え、窮屈な体内への入口が僕を、ゆっくりと呑み込んでは吐き出す。

「…ん……ふっ…」

陽菜は苦しそうに喘いでいるのに。
陽菜の体は気持ち良さそうに、僕に吸い付くのに。


なのに、ふるふると体を震わせる陽菜は、まるで理性を保つかのように、ゆっくり上下運動を繰り返すだけで、僕はもどかしくて陽菜を僕の下に敷いた。

「…ぁ」

陽菜が怯えた目で、僕を見た。
陽菜はもう僕を、怯えた目でしか見れないのだろうか?

「やっぱり陽菜は虐められる方が合ってるのかな?」

だんだん陽菜の意思が、消えていっている気がする。

「いっぱい気持ち良くなってね?」

僕は陽菜を抱き締めながら、激しく腰を振った。

「いやああぁあ゙あっ!!」

陽菜が叫ぶ。
けど叫んだかと思うと、声にならない声で喘ぎながら、痙攣を繰り返した。

「やっぱり素質だね」

虐められ方が激しければ、激しいほど陽菜の本当の姿が顔を出す。

「もう陽菜は、僕以外の男じゃ満足できないよ」







まだまだこれからだよ…。

頭も体も心も全部、僕でいっぱいにしてあげるから…。

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