《MUMEI》
嗜虐心
三上と平岩の会話が、僕の頭を駆け巡る。


『真鍋先輩ヤバいよね!超カッコいい!』

『でも先輩、援交女と付き合ってるから』

『キモいオヤジと一緒にいるとこ見た人いんだって』

『それ確実じゃん』





…──なんか眞季ちゃん、いつもと違う





佐野さん……。


佐野さんは一体、僕の何を見て『いつもと違う』なんて判断したんだろう。


ちょっと仲良くしただけで、僕の『いつも』を知った気で、いるんだろうか…。
それとも、数回セックスしたから?


どっちにしても、煩わしい。






陽菜も──……








家に帰ると陽菜は、朝と同じ格好で、僕を待っていた。
頬を赤らめて、涙と涎でグチャグチャになった陽菜の顔を撫でると、陽菜は嗚咽した。
体は汗ばんでいて、小さな痙攣を繰返している。

「いっぱいイッたんだね…」

「…ぅ…、ゃ…」

「もういっかいイく?」

陽菜の尻尾に触れると、陽菜は髪を振り乱し、気でも狂ったように叫んだ。

「やだっ!!やだぁああぁああっ!!!」

泣きわめく陽菜を無視して、尻尾とバイブを激しく出し入れした。

「ひぁッ!?…ぁ…ああ……っ、ぅあ……」

あれだけ激しく抵抗してたから、すごい声で叫ぶかと思ったのに、陽菜は短い悲鳴をあげてから、目を見開いて口をパクパクさせながら、呻くような声を出して痙攣した。

「そんなに気持ち良いんだ」

震えながら荒い呼吸をする陽菜は、色っぽい。


こんな表情もするんだ…。

こんな目で、僕を見るんだ…。


そう思うと、僕の中の黒いものが、ゾクゾクした。

「でも僕以外で、そんなに気持ち良くなっちゃダメだよ」

僕は陽菜の足を、拘束していたロープを外した。

「ゆ…ゆるひて…ゆるひ…て」

力の抜けた陽菜が、譫言のように繰り返している。

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