《MUMEI》
笑顔の夕日
僕は今日一日上の空だった。
仕方が無い・・・・と思う。
僕は祐介や怜に相談しようか迷った。
が、登校中に“楽しかった”
なんて言ってしまったんだ。
相談できるわけがない。

「くそ、どうすりゃ良いんだよ!!」

休み時間の屋上。
僕は一人で悩んでいた。
するとそこに祐介がやってきた。
「お!!どうした??」
僕はとっさに作った笑顔で聞いた。
すると祐介は、
「無理に笑わなくてもいいよ。
 俺、気が付いてるから。」
「え!?何のこと??」

しばらく沈黙が続いた。
そして祐介が喋りだす。

「おまえ、喧嘩したんだろう?柚子ちゃんと。」

僕は何も言えなかった。
ただ、祐介を見つめることしか出来なかった。
「やっぱりな・・・・・!」
「俺とお前、どれだけ付き合いが長いと思ってんだよ!?
 お前の行動だけで分かるんだよなぁ、・・・俺!!
 ・・・やっぱり天才か??」

「・・・・・・・・。」

「・・・・・。悪ぃ・・・。」
「い・・いや・・・。大丈夫・・・だけど・・・。」
再び沈黙が続いた。
その後に僕は、全てを祐介に話した。

「ふぅん。
 ・・・・・・・・謝れば??」
「え・・・?軽すぎだろ!?」
「だって、そんな重く考えなくても、
 謝れば済む話じゃん??」
「え?あ・・・うん。」
「そんじゃ、がんばれ!!」
「おう!!」

・・・・・。頑張れ??
僕が気が付くと
もうそこには祐介の姿はなかった。
そのかわりに柚子がいた。
まったく、祐介にはいつも助けられる・・・。

「ゆ・・・柚子・・・・。
 あのさ・・・昨日は・・・」
僕が言いかけた、その時だった。
「ごめん!!」
柚子が謝ってきた。
「私が悪かったの。私が・・・・私が・・・!!」
目からは涙があふれていた。
「いいよ。僕も悪かった。
 また、遊びに行こうね!!」
「うん!!」

それを見上げると、さっきまでの暗さが嘘のように、
明るく、きれいな空になっていた。
遠くにはきれいな夕日が見えた。

「明日は絶対晴れだな!!」
僕は笑顔で叫んだ。

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