《MUMEI》
森長の告白
部活が終わり、ここからが俺の時間。

自主練に託つけて、実は音楽鑑賞…のはずだった。



他の部員がいなくなって、一人コートに立っていた俺の背後から


「大橋くん!」


って名前を呼ばれて振り返ると、そこにはウッチーを振った…


確か名前は…




そうそう、森長だ!

森長がいた。


「あれ?まだ帰ってなかったんだ。どうした?」

「うん、ちょっとね…」


森長は何だがはっきりしない口調で喋る。


「今、時間いい?」

「あぁ、別にいいけど?」

まぁ、ちょっとくらい音楽鑑賞の…もとい、練習の時間裂いたって構わないさ。


なんて呑気に思ってたら




「好きです!付き合って下さい!!」


いきなり告白されちゃって

「は?え…俺!?」


動揺した俺はボケを一発。


二人しかいねぇのに、俺の他に誰がいるんだよ、なぁ?



「へ、返事はいつでもいいからっ!じゃあ!!」

「あ!待っ…」



俺が自分にツッコミ入れてる間に森長は勝手に帰ってしまって




取り残された俺は、急に恥ずかしくなった。





だって、あんな大声で告白されたの初めてだったんだもん。




体育館中、響き渡ってたぜ?森長…。

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