《MUMEI》

「もう早く中入りなさい!遠かったでしょ?聖ちゃんっ、ほら貢!聖ちゃんが風邪ひいたらどうすんのッ!ほらあ、入って入って」







「こりゃまた可愛い子やないの!貢なんかに勿体ないわあ、はいどうぞ!」


オカンは上機嫌で聖ちゃんの前にお茶を出した。


「ありがとうございます」

「ほんまに子リスみたいに可愛いらしいなあ…」


と言いながらオトンは鼻の下を伸ばして聖ちゃんを舐めまわすようにみている。


−−なんか…あっさり受け入れられてしまったぞ?。


意外とうちの親は寛大だったんだな、うん。


「聖ちゃんは何年生?」

「はい、貢君と同じ一年です」

「あらそう、なんだか誰かに似てるわねえ〜、誰かに似てるって言われへん?」
「えっと…、言われた事ないです」


「なあお父ちゃん!聖ちゃん誰かに似てると思わへん?」

「あ〜、言われて見ればそうやなあ、え〜っと…」


オトンとオカンは身を乗りだして聖ちゃんの顔をガン見。

ああ…和やかだ。
聖ちゃんもニコニコしてるしこりゃ〜いい正月だ!


聖ちゃんと無事姫始めも出来たし、何と言ったって男同士の交際を親に認めて貰えた。

俺は上機嫌で言った。


「似てるのは佐伯陸じゃない?」


「「そうやっ!佐伯陸やっ!」」

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