《MUMEI》 愚かな人間「バカ野郎!」 気がつくと私は叫んでいた。 「なんて愚かなんだ!テメーは毎日必死に生きてきたんじゃねーのか!」 「お前なんかに分かるもの・・・」 『バキィ』 私は犯人の頬を思いっきり殴っていた。 「ざけんな!私がお前の気持ち知ってたまるか!テメーは残された奴の気持ちが分かるってーのか!」 「羽・・・」 兄貴は私を止めようとしたが、今止められたら犯人に何も言えないままで悔しい。 「兄貴は少し黙ってろ!」 私は再び犯人の方に向き直ると全て言葉をはきだした。 「私の両親は今のお前のような愚かな人間によって死んだ・・・もしあの時事故を起こした犯人が逃げなかったらこんなに私は怒らなかっただろう」 「羽!それ以上言わなくていい・・・」 気がつくと私は兄貴に抱かれていた。 「・・・!」 私自身は気がつかなかったが、私の頬を無数の雫が伝っていた・・・ 夕方、すっかり空が赤く染まる頃にいらいは完了していた。 「ありがとうございました。いらい代です。」 泉さんが差し出したのは・・・ 「綺麗なネックレス・・・」 「これもお礼としてあなたにさしあげるわ」 「うわぁ、綺麗なドレス!ありがとうございます」 「いえいえ、気に入っていただけて何よりよ。またいらっしゃってね。」 「はい。」 私たちは別れを告げると家へ向かって歩きでした。 前へ |次へ |
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