《MUMEI》
リトル・クラウド03
しばらくの間、
風の音と沈黙がふたりの間を通り抜けた。

強めに吹いた風の終わりにイズルがつぶやく。

「ありがとう…桐島さん。」
「えっ!?何を急に!?」

漫画みたいに仰け反り、リアクションする楓。
まるで仮面ライダーが変身するかのように。

「いや、あの、雲。ほら、詳しいんだね…」

そのリアクションが可愛かったのか、
イズルはまた急に言葉につまり始めた。


「なんだ〜サバ雲でしょ?わたし天文部だから空のことは、結構詳しいんだ〜。」
変身ポーズから急に腕を組んで仁王立ち。
偉そうな佇まいを見せる楓。いちいちアクションが大きい。運動神経は良さそうだな…

頭の方はあんまり良さそうじゃないけど…

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