《MUMEI》
病院
ここは病院。なぜ病院に居るかと?

手首をきって自殺しようとしたのにーー

なんで………俺を見つけるんだ?

あのまま死なせてほしかった。
あいつらに会いたくない。

けど勉強もついていけない。

退院まで数週間。

一回死のうとしたからな。

見張りか……………。

「雅也………」

「なんだよ…。舞」

舞とは、吉澤 舞。クラスメイトで一番影が薄い。そして、彼女は誰とも話さない。そんな奴がなんで…………

「自殺しようとしたんだって?」

「ああ」

「だったらさ!」

舞が近づく。耳元まで来て、こう呟いた。

「復讐してやればいいじゃん」
「え?」

「私も手伝うしさ!」

確かに、このまま死んでも後味わりぃ。

「復讐…………いいアイデアだな」

「まず一人目は?」

「ん〜、いっぱいいるしな〜。男子も居るし、女子もいるし〜」

「男子が死んでいくの見て女子が怖がる。どう?」

「いいなぁ。女子も案外ビビり多いし」

「それ私も含んでんの?ビビりに」

「ごめん。舞を抜いてだよ」

「フフ…」

舞って意外に話しやすい奴だな。

「まずは…。潤あたりいかない?」

潤とは、眞鍋 潤。男子の中での盛り上げ役みたいな奴。情報もこいつが拾ってきて、みんなに広めているらしい。

「まずは情報通信あたりを…」
「ねぇ…」

「あ?」

「退院まであとどれぐらい?」
「二週間」

「ならいいや。今日から、ここに居るね。退院するまでずっと」

「え?」

「退院してからじゃあ遅くなる可能性もあるし」

「あ…。」

「それに…。私あなたの事好きなの。ずっと一緒に居たい。」
「え…」

「やっぱり…。駄目?」

「い…。いいよ。前から舞の事可愛いなって」

「ありがとう…。雅也……」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫