《MUMEI》

「佐伯陸を小学生にした感じか?」


「あーそんな感じやなあお父ちゃん」



二人ともアハハハハ笑いだして、俺も笑いながら聖ちゃんを見た…

「!!!!」



満面の笑み!!



や…ヤバイ!!

ペンションで風船貰った時と同じ笑い方してるっ!








「ごめんね?聖ちゃん」

「いーよ…、慣れてるし…」


「ごめん、ごめんな…」

聖ちゃんをぎゅっと抱きしめて頭を優しく撫で撫で。

聖ちゃんも俺の背中に腕を回してしがみついている。


自分の部屋で聖ちゃんを抱きしめる事が出来るなんてもう、嬉しくて。

女の子みたいに華奢で小さくて、童顔で、声も可愛いくて。

「ヤバイよ、聖ちゃん、キスしよ」

「うん」


聖ちゃんはぐっと爪先立ちになって顔を上げた。


瞼を閉じた顔まで可愛い…。


薄いオレンジとピンクの中間みたいな唇の色…



ああ…




俺は顔を傾け聖ちゃんに近づき…



バンッッ!!



「貢!聖ちゃんっ!」

「うわあっ!」


俺は弾けたポップコーンみたいに聖ちゃんから離れた。

「おっ!オカンッ!」

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