《MUMEI》
「佐伯陸を小学生にした感じか?」
「あーそんな感じやなあお父ちゃん」
二人ともアハハハハ笑いだして、俺も笑いながら聖ちゃんを見た…
「!!!!」
満面の笑み!!
や…ヤバイ!!
ペンションで風船貰った時と同じ笑い方してるっ!
▽
「ごめんね?聖ちゃん」
「いーよ…、慣れてるし…」
「ごめん、ごめんな…」
聖ちゃんをぎゅっと抱きしめて頭を優しく撫で撫で。
聖ちゃんも俺の背中に腕を回してしがみついている。
自分の部屋で聖ちゃんを抱きしめる事が出来るなんてもう、嬉しくて。
女の子みたいに華奢で小さくて、童顔で、声も可愛いくて。
「ヤバイよ、聖ちゃん、キスしよ」
「うん」
聖ちゃんはぐっと爪先立ちになって顔を上げた。
瞼を閉じた顔まで可愛い…。
薄いオレンジとピンクの中間みたいな唇の色…
ああ…
俺は顔を傾け聖ちゃんに近づき…
バンッッ!!
「貢!聖ちゃんっ!」
「うわあっ!」
俺は弾けたポップコーンみたいに聖ちゃんから離れた。
「おっ!オカンッ!」
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