《MUMEI》
プロローグII
プロローグ
『東京都渋谷区スクランブル交差点にて未知レベルのアバターウイルス出現。オリンポス東京支部チームゼウス出動せよ。チームアポロンも戦闘が終わり次第随時現場へ急行せよ』
「了解、行くぞみんな」
チームゼウスリーダー徳江 魅夜(とくえ みや)は言った。
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「こいつがそうか。民間人の避難は終わったのか?」
外国人からする日本のいわゆる名所的な渋谷スクランブル交差点。
しかし、そこにはチームゼウスの4人しかいなかった。
丁度中央部、魅夜の10m程先の所にプログラムから実体化構成されたアバターウイルスが居た。
しっかりとした実体があるのに、どのアバターウイルスも都合が良いように物理的な通常攻撃、例えば銃を当てるなんてことは無駄に等しく殆どダメージが無い。
つまりプログラムにはプログラム、刃には刃をだ。
「ああ、その辺りは既に終わってる」
魅夜の斜め後ろに立つ片裂 豊(かたざき ほう)は答えた。
対象は目の前の人型アバターウイルスGH(ジャイアント・ヒューマン)。
オリンポスはそういうアバターウイルスを駆除する為にアメリカで設立された。
もともと対アバターウイルスシステムを開発したのは魅夜とその父親である超巨大総合経営会社LWC( Life Weapon Company)のCOE徳江 彪(とくえ ひょう)だ。
普通ならばオリンポスなどもLWCが設立することもできたのだがその頃のLWCはアバターの出現が経営危機にまで追いやられて会社という名目もあり対アバターウイルス用のシステムを大量生産する余裕はなかった。
そのため作った技術はアメリカの企業に売り渡し、現在は世界一のトップシェア金融・サービス・食品・兵器・IT、幅広く展開している。
「んじゃあ俺に続け『シンクロコード001一徳江 魅夜シンクロ開始 』」
シンクロコード、自身の肉体と電子情報のプログラムを融合させて自分のアバターの力を使えるようにするための登録認証プログラム。
使うと自分の体を電子化させることができステータスができるためHPが0になるまで直接的ダメージをくらうことはない。
「行くぞっ!」

ズーーーン
一体の巨大なアバターウイルスが倒れ、消えていった。
「ミッションクリア。『シンクロ解除 』」
チームアポロンリーダー佐野 怜がそういうと体の服装が変わりシンクロ(電子化)が解除された。
「おい怜、チームゼウスの手伝いに行かなくてもいいのか? 」
メンバーの1人煌希 彼方が尋ねる。
「んっ?魅夜なら大丈夫だろ。俺たちは帰って、魅夜たちが帰ってなくても待てばいいさ。支部で待機」
「そうだね」
っと女子メンバーの2人、竹中 杏(たけなか あんず)と空舟 美羽(そらふね みはね)が口を揃えて同意をする。
チームアポロンはオリンポス東京支部へと戻った。

「南鳴!!」
東京都渋谷区スクランブル交差点の真っ只中チームゼウスは巨人型アバターウイルスと戦闘を繰り広げていた。
「なんだよこいつ」

ウィーン
自動ドアが開く
「あれ、まだゼウスの連中帰ってきてないぞ」
一番乗りで支部へともどった彼方がいった。
「えっ?」
怜が驚きながら支部の総合エントランスに入ると確かにそこには誰もいなかった。
『チームアポロン!応答せよ!』
「本部か?・・・はい、こちらアポロンリーダー佐野 怜」
『佐野か、落ち着いて聞いてくれ 』
「はい ?」
『チームゼウスが全滅した 』
それを聞いた怜の手がピクリと動く。
「どっどういうことですか?全員その・・・死んだんですか? 」
『詳しいことはわからん。叫び声と共に通信と映像が途絶えた 』
「わかりました」
話しを理解した訳じゃないがわかりましたと言って怜は通信を切り
後ろを振り向く、すると皆が落胆としていた。
「まだ生きている奴がいるかもしれない。みんな、行こう 」
「ああ」
「・・・分かった」

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