《MUMEI》 「あ゙〜っ…」 湯ぶねに浸かるクロたち。 「すげぇおっさんじゃん。」 「いや疲れてたらこの年齢でもうなっちゃいますよ。」 「クロも疲れてんだな。」 「えぇ。まぁ。」 「でもまだ終わっちゃいないと。」 「えぇ。まぁ。」 「なぁクロ。」 「なに?」 「お前に教えとこ〜と思うんだけど。」 「…何を?」 「俺なりに聖龍のキーパーを研究してみた。」 「…話して。」 「おぉ。」 恭介が話を始める。 「短時間で見た分だけだけど、聖龍のキーパーは速攻に強い。つか…強すぎる。」 「…」 クロは言葉を失う。 それは絶望したからではなく、 (僕の情報と違うな…) そこに矛盾を感じたから。 だが今恭介の話を遮ることはせず、 恭介の話に耳を傾けた。 「俺が見たのは2・3回戦の試合だけだけど、 トータルで7回あった速攻を0点で抑えてる。 つまり、 2・3回戦の速攻の阻止率は100%ってわけだ。」 「すげぇな…」 話を聞いていたヤマトが思わず漏らした。 「…」 クロは相変わらず黙ったままであった。 「海南は数本決めてるからな。 準決ではさすがに100%ってわけにはいかなかったみたいだけど、 それでも十分な」 恭介がそこまで言った時だった。 「…恭介。」 「あ?」 そこまでの話を聞いていたクロが口を開く。 「それとんでもない情報かもしんない。」 「はぁ?」 前へ |次へ |
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