《MUMEI》 「とりあえず上がろうか。」 「えっ…あ、あぁ。」 風呂から上がる3人。 タオルで体を拭きながらクロは時計を気にする。 (…まだ大丈夫な時間かな。) 体を拭き髪を乾かしたクロたち。 室内で飲み物を買い美紀たちが来るのを待つ間にクロは話を始めた。 「さっきの恭介の話でわかったことがある。」 「何?」 「まず、聖龍は2・3回戦のトータルで7回も速攻のチャンスを許してるってこと。」 「おぉッ!!そう考えると確かにでかい数字だなッ!!」 「でしょ? 何で速攻を許したのか…? そこを深く追求すればウチの得点チャンスはグンと広がるよ。」 「すげぇなお前。」 「ぬわはははは。 しかも…ね、僕は聖龍のキーパーが特別速攻に強いとは認識してない。」 「そりゃ俺たちが直接見たのは3回戦と準決だけだからな。」 「そう直接見たのは…ね。」 「他に何かあんのか?」 「クロも2回戦のビデオ見てたってこと?」 「んにゃ違う。 実はさ、僕は高総体以前にあのキーパーを1回見てるんだ。」 「…市民体とか?」 「いやいや。 だったら直接見てるでしょ。 それにあのキーパーがスタメンになったのは割りと最近だよ。」 「んじゃいつ?」 「いつ…っていう質問には上手く答えられないけど、 とにかく僕はその試合であのキーパーから3〜4本くらい速攻で点取ってる奴を見た。 外した数は完全に把握してる。 1本。たった1本しか外してない。」 「おぉ…やるなそいつ…」 「…今からそいつに聞こうと思うんだ。」 「…何を?」 「いかにして奴から速攻を決めるか。」 「聞けんの?」 「た〜ぶんね。」 「つか…誰?」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |