《MUMEI》

「おぉ。ちゃんと布団畳んでくれてんだ。」



「えぇ?何当たり前のことに驚いてんの?」



「や…沖たちは畳んでなかったからつい…」



「あいつらはハンド以前に常識と礼儀を知らなすぎるな…」



「よっ…と。」



客間に腰を下ろす5人。



「とりあえず…」



プシュッ…!!



「決勝進出おめでとぉッ!!」



ヤマトの乾杯と共に各々飲み物を開ける。



「しつこいようだけどホンッ…トにここまで来たんだな。」



「あたし今日は凄いドキドキしちゃいましたよッ!!」



「つってもま、終わってみれば終始リードを許すことなく勝ったわけだ。」



「そういう試合運びをしてたからね。」



「はぁ…あたしもっかい高校生やりたくなっちゃったなぁ…」



「藤田は選手じゃね〜だろ。」



「いやあのね〜、マネージャーだって色々大変なんだよッ!?


まぁそれがやりがいあったたし楽しかったからやってたんだけど。


佑香ちゃんが羨ましいよあたしは。」



「おばちゃん口調になんなおばちゃん口調に。」



「ひっどぉいッ!!ヤマトくん最低〜。」



「いやあのなぁ…」



「あたしは部活とかやったことなかったんでわかんないですけど今更ながらやってみたくなっちゃいました。」



「お〜。そうなんだ。初耳。」



「はいッ!!スポーツっていいですねぇ…


あたしハンドボール大好きになっちゃいましたもん。


ハラハラドキドキで…


でもそれがいいっていうか…」



「やっぱハンドはさぁ…
あの攻守のスピード感がなんともたまんねぇんだよなぁ…」



「そうなんだよなぁ…俺も」















………………………………



雑談は1時間程続き、
時刻も遅くなり始めた。



………………………………













「ふぁっ…」



「理紗ちゃん眠いの?」



「あっ、いえッ!!全然ですッ!!」



「そろそろ寝ようか。明日もあるし。」



「いやあのあたし…」



「無理しなくてい〜よ。
あたしも結構眠くなってきたし。」



「うぅ…すみません…」



「あははッ!!何で謝んのかわかんね〜けど。」



「さて、じゃあ僕たちは部屋行こうか。」



「あ、じゃあ片してから…」



「やっておくから寝てよし。」



「あ〜、わっり。んじゃ頼むわ。」



「うん。おやすみ。」



「おやすみなさい。」



「おやすみ〜。」














バタンッ…















「…ヤマ、恭介。」



「…わかってる。」



「んじゃ、やりますか。」

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