《MUMEI》
真弓の脚
「幽霊が出た?」
いきなり奇天烈な事を言われて、上手く頭が回らないでいる司を見兼ねて、またもや興奮気味の洋平が入ってきた。
「ここだよ!ここ!」
そう言われて、洋平が指差した場所に視点を置いてみたら、有り得ない光景が写真に写っていた。
「うわ…。マジかよ…」
「な?スゲーだろっ!?」
「凄い‥けどさ…」
司は心配になって真弓を見てみた。
案の定、彼女は震えていて恐怖で顔が真っ青になっている。
まさかこんな細工が洋平に出来る訳がない。
だとしたらこれは一体?
何故真弓の下半身が、まるで最初からそこになかったかの様になっている?
これが所謂…
「心霊…写真…。」
真弓の震えた声が、司の考えをまとめた。
「私…きっと事故に遭う…それで脚を怪我するのよ…。」
「そんな…」
確かにテレビとかに出ている能力者達は、よくそんな事を言っているが、実際は分からない。
だから司は、必死に励ましの言葉を探した。
「え〜っとさ、そんな気にする事じゃ…」
「気にするわよ!だって、私の脚が消えてるのよ!?」
しかし、真弓の恐怖は治まらず、寧ろ増すばかり。
余計に泣いてしまい、お手上げな司を横目に、井上は立ち上がり様言った。
「んじゃ、今からお祓い行ってくるか?」
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