《MUMEI》

「…久司。」



「…何?どしたの?」



「いや…明日の試合が終わったら久司がキャプテンになんだってさ。」



「…もう海南は準備始めてんだね。」



「…海南だけじゃね〜よ。」



「え?」



「高総体で引退…ってチームは珍しくない。


中には県民体とかまで残るチームもあるけど、


大半が高総体で引退だ。


要するに、


今まだそんな準備をしてないウチの方が珍しいんだよ。」



「そっか…そうだよな…


目の前に必死すぎて考える余裕なかったけど、


負けたら先輩たち引退…なんだよね。」



「…俺は、まだ終わるつもりはねぇけどな。」



「俺もだよ。」



「…勝つぞ。」



「…うん。」



「んじゃ、今度こそ寝ようぜ。」



「うん。」



2人はまた眠りに…



「…ねぇ椎名?」



「ん?」



「もしだけど…明日負けたらさぁ…」



「ちぃあきぃ〜ッ!!」



「うわぁごめんごめんッ!!」



「くだらねぇこと言ってないでさっさと寝ろッ!!」



「はぁ〜い。」



今度こそ、2人は眠りに着く。

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