《MUMEI》

………………………………



明日に控える試合を前に、
一時の休息の時間が訪れていた。



時刻は深夜2:27。
街灯も消え町は静けさを増していた。


風の音が聞こえぬ外の様子は、


明日の暑さを予感させた。



………………………………













「ん………」



(………何の音?)



「…っぱ………こう……」



(………話し声?)



むくっ…



深夜の静けさの中、
そこにそぐわぬ話声に美紀は目を覚ます。



「………zzz」



隣の理紗を起こさぬように、


美紀は静かに部屋を出る。



「…わからん。いまいち確証が持てないんだよね。」



部屋を出ると話し声ははっきりと聞こえた。



(…小太郎?)



話し声はクロたちの物だった。


部屋からも明かりが見えていた。



(…何してんのこんな時間まで?)



美紀は静かにクロの部屋へと近づき、


わずかに開く扉の隙間から中の様子を覗き込んだ。

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