《MUMEI》

「利き腕が関係してんじゃね〜の?


三島は特別変わったシュート打ってる様子ないし、


他のサイドと違うことは逆手のサイドってことくらいしか…」



「バカだなお前。
速攻なんだから利き腕なんか関係ね〜だろ。」



「あっ、そっか…」



「あ〜もうこんなペースじゃ間に合わないッ!!


三島の謎解明は僕に任せて恭介は海南戦洗い直して!!


パソコンの高総体のフォルダに入ってるから。」



「あ〜了解。」



「ヤマは楊子館ね。
ビデオに入ってるからノートパソコンの方に繋いで見て。」



「了解。」



(え…何?皆明日の為に今までの聖龍の試合チェックしてんの…?)



「何で三島のシュートだけこんな…」



(皆…絶対…絶対勝ちなさいよ…)



「クロぉ…パソコンがフリーズしたぁ…」



「えぇッ!?何でただ見てるだけでフリーズすんだよッ!?」



「いや…ここ拡大しようと思っていじったら…」



「ちょ貸して…」



カタカタカタカタッ…



「おぉッ!!やるなクロッ!!」



「まあよ。」



「で?拡大は?」



「えぇ…あれ…どうやんだっけ…」



ギィッ…



「もぅ…しょうがないな…」



「え?」



「一声掛けてくれれば協力するのに…」



「美紀…」



「貸してッ!!拡大はぁ…」



「おぉッ!!すげぇッ!!」



「藤田ぁわりぃこっちも。」



「任せなさいッ!!」



「…にひッ!!」



クロは笑う。
ただ純粋にその気持ちが嬉しかったから。



(僕は…僕の仕事をするんだ。)



そして…
明日への決意を新たにした。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫