《MUMEI》
物分りが悪い
「俺の主はお前か?」

優姫はわけがわからないといった感じで、呆然としてる。

鏡から出てきた男は何も答えない優姫にもう一度言う。

「俺の主はお前か?」

「は・・・・・・・?」

優姫は我に返ったようだが、質問の意味がうまく理解できないでいる。

男は怒ったようにもう一度言う。

「何度言わせる気だ。俺の主はお前かと聞いている。」

「え〜っと・・・・・・・・主って何?」

「・・・・・・・・・・・・・・・ちっ。物分りの悪い女め。」

とても小さな声だったが、優姫には聞き取れた。

その言葉を聴いたとたん、優姫の額に青筋が浮かんだ。

男はそれに気づかなかったようだ。

そしてまた、話しを続ける。

「俺を【三日月の鏡】で呼び出したもののことだ。」

「【三日月の鏡】ってあなたが乗っているその鏡のこと?」

「そうだ。お前は何も知らずにこの鏡を使ったのか?」

男はあきれたように言った。

その瞬間優姫の額にさらに青筋が増えた。

だが男は何も気づいていないようだ。

この男は相当鈍感らしい。

優姫は気を取り直して男に聞いた。

「この鏡に何かあるの?」

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