《MUMEI》

怪しすぎる、女はそう思いクルリと回れ右をした、はずだった。

「え!」

女の正面奥には先ほどの怪しい建物。どうやら身体は360度回ったらしい。

「回り過ぎた?」

気を取り直しもう一度回れ右をした。がやはり正面奥には怪しい建物。

女は後退りしょうとしたが、今度は勝手に足が前へと一歩踏み出した。

まるで吸い寄せられる様に、一歩一歩と建物へと近付く身体。

不思議な事に、かなり奥に見えていた建物は、一歩歩く度にぐんぐん近付いて来る。

結局、数歩進んだだけで目の前に建物のベニヤ板の扉があった。

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