《MUMEI》

扉には貼紙。

「ようこそ、不思議相談賜り処へ

この世の、ありとあらゆる不思議な出来事にお悩みの貴方、当方相談承ります。

金品は一切無用です。情報提供して頂くだけでございます。

お気軽にお越し下さい。」


女は貼紙をじっと見つめていたが、そっと扉に手を伸ばしかけた。


(もしかした、ここなら――話を聞いて貰えるかも――)


(でも――誰も信じてくれなかったじゃない――)

女は何かを思い出し扉に伸ばした手を引っ込めようとした。

その時、ベニョン!と気の抜けた音がして、ベニヤ板の扉が女の顔面目掛けて開いた。

「イタタッ――!!」
扉は女の顔面、特に鼻にぶつかり止まる。衝撃で女は尻餅を付き悲鳴を挙げた。

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