《MUMEI》
私と歌ってよ…
友美のことを聞いた次の日。

私は学校が終わるとすぐ友美がいる病院に行った。


友美……


ガラガラッ…


友美は布団にもぐりこんでいた。

「…っ。友美…。」
「み、美香…。来てくれたんだ。」
「あ、当たり前だよ。」
「ありがと。なんか…ごめん。」
「えっ。」
「あっ、ううん。まぁ私は全然大丈夫だしっ!!」
「…。」
「ほらほらっ!!そんな悲しい顔しないのっ。」
「うん…。」
「そうだっ!!なんか歌おうよ!!」
「えっ。」
「あれ、新曲!!知ってる?」
「もちろんっ!!」
「さっすが!んじゃあ…。」


〜♪



「今日はわざわざありがとね。」
「全然大丈夫だよ。」
「私は平気だからそんな心配しなくていいよ。」
「うん…。」
「んじゃ、おやすみ。ばいばい。」
「ばいばい…。」


そして私は家に帰った。


友美、絶対無理してるよ…。
やだよ。
友美がいないなんて。

友美がいないなんて考えられない。


涙があふれてくる。


なんかもう明日から会えない気がしてくる。

コワイ。


プルルルッ


携帯がなった。

『今日はわざわざありがとう。嬉しかった。もしかしたら、今日が美香に会える最後になるかもしれない。私と歌ってくれてありがとう。私がいなくなっても歌を忘れないで。私と歌ってよ…。私はいつでも美香の心のなかに…。from友美』


涙がとまらなかった。

なんて返したらいいのかわからない。


結局なにも返事ができずに一日が終わってしまった。


私のなかに1つの言葉が響いたまま…。


『私と歌ってよ…。』

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