《MUMEI》

「はっはー!ざまあみろ、氷室様に取り入ろうとするからだ!」

実に清々しい気持ちで、流れて行くチンクシャを見送る。
そして、崖を覗いていると、俺の頬を鋭利な釘が掠めて行った。


「目玉の一ツは当たってくれなきゃつまんないよォ……?」

千守の笑い方は、感情が見え隠れして汚らわしい。
ピストルに似たものを片手に、器用にこちらの足元へ釘を打ち付けてくる。


「工具……そんなでかいもの、どこにしまっているんだよ。」

「エアタッカーって言うんだよ?改良してるから、熱はかなり持ってるんじゃないかな。」

そんなへんてこりんな工具に頼らないと、使役出来ないとは、なんて卑劣なんだ!
こんな、釘なんてもの万が一でも頭に刺さったら…………………………………………最高に痺れるだろうなあ。
やばい、どきどきしてきた。

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