《MUMEI》
迷惑
俺は、続きを言う。
「俺が、江上を守りたいって思うのは
俺が江上のことを
好きだからなんだ。
江上に避けられるまで
気付かなかったけど・・・
でも、本気だなんだ。
江上が辛いなら
俺が守るから
俺と付き合おう。」
江上は、上唇を噛み
泣くのを必死に抑えているように見えた。
江上は、立ち上がり
くるっと反対側を向き
俺に背中を向けた状態で言った。
「ごめん。
そんなこと
・・・・・言われても
め・・・迷惑・・・だから。」
そして鞄を掴み
走って教室から出て行った。
俺は、しばらく
何も考えれなかった。
ただ"迷惑"と言う言葉だけが
俺の頭の中で
何回も何回も繰り返された。
俺は、江上にとって
迷惑な存在だった・・・
そう考えると
ただひたすら涙をこらえることしか出来なかった。
伝えなければ良かった・・・
俺は、その時
自分のショックで精一杯で
江上の気持ちなんて
1つも考えていなかった。
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