《MUMEI》
青仙邦〜始まり〜
玲苑帝の御世245年の春の月21日の青仙邦のこと。




建設から400年の時が流れ、青仙邦は当時とは全く違う町の様相を見せていた。

整然と整備されている町は、白を基調とした建物と、しっかりと敷き詰められた煉瓦の道があり、爽やかな潮風と青い空の似合う港町に変わっていた。


青仙邦がその姿を大きく変え始めたのは、ほんの八十年前のこと。


400年の内に主は35回代わったが、34回までは皆同じような領主ばかりで、この町は有名な左遷先になってしまったのである。

しかしながら、35人目の領主で、青仙邦は本来の輝きを表し始めるに到った。

その者の名を朱華という。





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その日の青仙邦は、いつも通り、爽やかな潮風と青い空の港町らしい天気であったが、町の様子はいつもと違っていた。

町の中心である市場には一人としておらず、家々の窓も扉も固く閉ざされていた。


静まり返った町で、唯一、扉が開かれているのは神殿だけであった。

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