《MUMEI》

「すげー、これどこ?工場?」
水道管とかが沢山あって秘密基地みたいだ。


「ボイラー室。許可取って入れてもらった。で、これが高文連の。」


「おお!路地裏!猫〜!


…………ってゴメン五月蝿いよな。」
写真を見るのに夢中でつい……。土木工場を後ろから捕らえている構図で、粗末な木製の衝立で行き止まりになっている。手足の黒い猫がそこを横切ろうとしていてなんとも愛くるしい。



「皆撮りに外出てるし別に構わないけど。」


「才能だな……。ファンになりそう。」
南の無人写真は人が居るような安心感がある。


「いや、大袈裟だから。ただレンズ越しに見る風景が好きなだけだ。」


「言うことが違うもん」
感銘を受けた。

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