《MUMEI》
天国?地獄?
「はい、莉嘉さん。あなたにお願いしたいのですが。」
「えーえっと・・・ど、どうして私に?」
「2、3年部と院長様とで会議を開いた結果、満場一致で莉嘉さんに決定しました。」
「・・・。」
「もし、それが不満でしたら、降りて頂く事もできます。が・・・。」
「が、?」
「今まで満場一致で決定したことは前例にありません。」
「はぁ・・・。」
「私たちは莉嘉さん、あなたに出て頂く事を心から願っています。」
「でも、私なんかよりも、気品のある華凛さんや奈央さんの方がよろしいかと。」
(ん。絶対そうだと思う)
「もっと、自分に自信をもって下さい。あなたは外見、中身に問わず美しく気品のある方です。」
「そんな・・・。(そんなに言われると照れる―)
 しかし、私は上手く出来る自信がありません。」
「上手くしようと思わなくていいのです。これに参加できるのはあなたしか他にいません。宜しいですか?」
「は、はい。では、宜しくお願い致します。」
(本当にこの選択で良かったのかな?) 

「皆さんお話があります。集まって下さい。」
今、会長室から出た。はぁ〜奈央さんなんて言うかな?
「皆さん、この度有名私立高が集まり、親善を深めるパーティが行われます。
 今年もこの、聖フレリレッド会から、各学年の代表3名が参加する事になりました。
 それで、今回のパーティには、3年からは私が。2年からは百田舞衣子(ももだ まいこ)さん。
 そして、1年からは城ヶ谷莉嘉さん。この3人で参加致します。どう―「申し訳ありません、納得できません。」ぱ
いきなり、映美会長の話の途中で割り込んできたのは、そう―奈央さんだった。
「どう言う事ですか?奈央さん。」
「どうして、1年からの代表が城ヶ谷莉嘉さんなのですか?あり得ない。こんな子が・・・」
「失礼ではありませんか?奈央さん。莉嘉さんはとても美しく気品のある方だと私は思うのですが。」
「えぇ?何かの間違いでは?どうしてこんな子に・・。それだったら、まだ華凛さんか私のほうが―」
(はぁ〜やっぱりそうだよ。こんな私がパーティに出れる訳が無い。「会長私やっぱり― と言いかけたとき)
「だからです。」
んんっ?
「だから貴女ではいけなかったのです。莉嘉さんは会議の上満場一致で決定いたしました。」
「そっ、そんな・・・」
「あなたみたいに、裏表のある方ではいけません。内面、外見、ともに美しい莉嘉さんに決まったのです。」
うわぁ、会長マジギレ。怖い、けどかっこいい。
「・・・」
「まだ何か反論でも?」
「い、いえ。ございません。」
「そう。では決定ですね。」
・・・ん?あっ、結局私は出るのか。
「では、舞衣子さん、そして莉嘉さんは今日から特別レッスンが行われますので。」
「はい。」
っっって、ええ?と・く・べ・つ・レ・ッ・ス・ン?
ん〜。な、何か大変そう。
 

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