《MUMEI》

『お疲れ、東』

講義後に、なにやら
考え込む東の肩を叩
く。


『ん?あぁ神品。』


『で、どうだ?世良
を一日中見た感想は
?』


『…見てたんだ。』

世良の問い掛けに、
そう答えた総一郎は
講義室の窓に背を齎
せた。


『はい?』

総一郎の言葉の意味
が理解出来ない神品
は聞き返す。


『世良が…俺に気付
いて、いつもみたい
に笑ってくれないか
なぁと……。

……馬鹿みたいに見
てたんだ。俺、世良
の事を……。

ただ馬鹿みたいに…
見てた。』

途切れ途切れの言葉
に、総一郎の変化を
読み取り、神品は微
かに笑った。


『そっか、それで』

短めに返事をし、次
の言葉を促す。

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