《MUMEI》

『それで?』

神品の問い掛けに、
今度は総一郎が神品
の顔を眺めた。


『ふっ…だから、東
は、どうしたいんだ
?これから…』


『あ、俺は…』

総一郎が口を開きか
けた瞬間に、バタバタ
と足音を立てて講義
室に入った隆の声が
響いた。


『総ちゃん!世良君
が、またガチホモ先
輩に絡まれてるよ』


『『えっ!』』

神品と総一郎は同時
に声を上げた。が次
の瞬間、総一郎は講
義室を走り出ろうと
していた。


『あっ総ちゃん!二
人は中庭だよ!』


総一郎の背中に声を
掛けた隆は、神品に
親指を立てて笑顔を
見せる。神品も同じ
ポーズを返しながら
隆へと近付く。


『だけど隆、東、大
丈夫か?』

『うん、何が?』

『あの格好のまま行
っちまったぞ?』

『あっ!!』

暫し沈黙の後、『世
良君なら大丈夫だよ
!どんな総ちゃんで
も受け入れるはずだ
よ!』と根拠のない
発言をした。

神品は、世良の心臓
が強い事を願うばか
りだった。

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