《MUMEI》 コンビニのお話「ちょっとコンビニ行ってくる」 彼はそう言って部屋を出た。 友達の家で一緒にゲームをしていたのだが、急にプリンが食べたくなったのだ。誰もがあるだろう、プリン。 ついでに、とシュークリームを頼まれた。 しかし目的地はそう遠くはない。徒歩は少し時間がかかるかも知れないが、自転車ならすぐだ。 借りた自転車にまたがり、呑気に鼻歌を歌いながらコンビニに行くと、ソレは居た。 ソレを目の前にして、彼は固まった。 「あれ、いつどこでゲームの中に入ったかな…」 存在はしないはずなのだ。仮に居たとしても、こんな所に居るわけが無いだろう。というか居たら大問題だ。 どうしようもない。頬をつねっても痛いだけだった。つまり事実なのだ。 「いやもうマジ? どう考えてもオレの目が腐ってんだろ」 まるでコンビニを守るように。 ドラゴンがいた。 前へ |次へ |
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