《MUMEI》
鉢合わせ
いやぁ…どうしたものか。



まさか森長が好きな男ってのは、実は俺でした!


‥なんてウッチーが知ったら、俺、嫌われるんじゃねぇの?



いやいや。



ウッチーはそんな器のちっちぇ男じゃない!…はず。





てか、いつ返事すりゃいいんだよ?

俺の中じゃ、今この瞬間にもう返事は決まってんですけど…






馬鹿馬鹿しい悩みに意識が盗られて、全然練習に身が入らない。



音楽もいつの間にか止んでいて、時計の針はもう7時を回っていた。





「帰ろ…」





手早く着替えを済ませた俺は、体育館を出て





「あ!」

「あ、ども…」





須藤先輩と鉢合わせた。

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