《MUMEI》
天才少女の恋
その人は、どんな女の子の心も盗んでしまう―…。


「すごっ!またトップじゃん、ゆに!!」

「……。」

「―って、反応薄っ!さすが超天才にして、氷点下(クール)ガール!!」

天草ゆに 16歳。これでも喜んでいます。

私は、無表情…というか、感情表現があまりないので、クールと言われています。

「ハルカちゃん、今の仕草いい!マジ、タバコ一本で虜だよー♡」

職員室だというのに、女子生徒の大きな声が響く。

「英語だけ52点……。」

「ん?ああ、前から苦手だったもんね。」

「あの人が授業やるようになってから、もっと下がったのよ。はぁ…」

「ハルカっちは教えるの上手いですが?」

「俺がなに?」

「相変わらず無表情で、担任の悪口か。生意気だねぇ。」

「放課後、指導室来な。」

「匂い、移ります。」

「……カーワイイ♪」

「!!行こう。」

「あっ!待ってよ、ゆに!!」

【斉藤 ハルカ】は、産休代理として1年前に現れた臨時担任で、私と相性が悪い。

が、

「なっ、なっ、何故あんな人が世界一美しく見えるのかしら///」

容姿は認めます。

「目が合うと、勉学なんて無意味なんじゃないかと思うこともあるのよ。美とは恐ろしいものね。」

「ゆにさー、やっぱハルカちゃんのこと好きでしょ?なんであんな態度とんの?あと二か月でいなくなっちゃうっつーのに。」

「誤解しないで奈美ちゃん。私は容姿以上に、彼の振る舞いが不愉快なの。」

「ややこしいな。」

「教師らしからぬ態度で生徒と接するし、所構わずタバコを吸って人の迷惑も省みないもの。故に、私は彼が好きではないの。」

「あんたは真面目すぎるけどな。」


〈カチッ〉

またタバコ…

「なんで呼ばれたか分かるだろ?困るんだよね。天草みたいな秀才に低い点取られると、俺が上からいろいろ言われんだよ。」

やっぱり最低な人……

「英語だけは小学生の時から苦手なのです。斉藤先生になってから、もっと嫌になってしまったので。もう点数は諦めてますから。
 じゃあ、失礼しま…「待てよ。」

〈ガタッ〉

「!!」

「ワザと間違えてんじゃないの?本当は俺の気を引きたくて。(クイッ)」←眼鏡を上げた。

〜理性〜
なんて自意識過剰なの!?

〜本能〜
めっ、眼鏡効果で宇宙一の美しさだわ♡♡

〈バシッ〉
↑理性勝利



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