《MUMEI》
優しさと涙
なんだかがやがやしている女子たちの話を聞いた僕は
そこから、進むことも戻ることも出来なかった。

“柚子が 事故に  ・・・・・あった・・・・?”

・・・・・。どういうこと・・・・・?
僕の頭の中は真っ白になっていた。
柚子が事故?今は意識不明の重体??
そんなはずは・・・・!!
早歩きで教室に入っていった。
僕が席に着くと25分のチャイムがなった。

しばらくして先生が入ってきた。
いつもより来る時間が早い・・・!!

先生は暗く重い雰囲気を纏って入ってきた。
そしてゆっくりと口を開いた。
僕はその先生の話はほとんど理解できなかった。
分かったとするならば、ただ一言。

“鈴木柚子さんは昨夜交通事故にあいました”


その日の授業はずっと、ずっと、上の空だった。
僕は家に帰ってもまだ信じられずにいた。
      “事故”
この言葉が僕の頭の中を回っている。
そのときだった。携帯電話が鳴った。
祐介からだ。
メールの内容は・・・・・。
“お前のために今から柚子ちゃんのお見舞いに行くぞ!!
 いいか?お前のためだぞ!!”
・・・。別に“お前のため”を何回も言わなくていいし・・!!
でもなんだか、僕は感動した。
気づいたら、僕の目からは涙が溢れていた。
その後僕は祐介と柚子のお見舞いに行った。
今は集中治療室にいたので、あまり近くには寄ることが
できなかった。
なんだか僕は昔を思い出した気がした。

 あの夢はまさか・・・・!

なんて思ってしまう僕がいた。

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