《MUMEI》

安斗に電話をかけた

何度も 何度も

でも、一度も出てくれなかった



何もやる気になれなくて

イライラすることもなくなって

喪失感で胸が苦しい




学校にも行かず、ご飯も食べず、家に引きこもった。
今、何時なんだろう

携帯の画面を何度も見る

ダチから 心配しているというメールがたくさん

電話も何度もかかってきてる

こんないいやつらに、俺は何を苛ついていたんだろう


安斗からの連絡はない

何度確かめても








久しぶりに外に出た

ダチに出てこいと言われて
街を歩くと、人の多さに吐き気がする



見てしまった

想像してたこと
でも違うと信じてた


こんな人混みの中でも見つけれた

こんなに 愛してたんだ






俺の、俺の大好きな腕に絡み付くな

俺の、俺の大好きな髪をかまうな

俺の、俺の愛してる人を――――――









ドサッ


「うわっ」

「キャー!!」

「おい!あんた、大丈夫か!?」

「救急車呼んでくれ!!」

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