《MUMEI》
素直な気持ち?
「…うっ…うっ…」

昨日から私の涙は止まらない。ずっとずっと私の頬を伝う。

「…小夜!!ちゃんと学校に行くんだぞ!!朝ごはんここにあるから」

もうそんな時間?

私はホントにどれだけ泣いたんだろう?

「ハーイ…」

私は七島の呼び掛けに一応答えた。

私はいつも通りに七島が作ったスクランブル・エッグを食べた。

そして私は鞄を持ち、この家を出た。重い足を動かして…。

「いってきます…」



「…おはよ……小夜…」

私に話しかけたのは愛実だった。私を見ている愛実は悲しい顔をしていた。

なぜ?

どうして私をそんな目で見るの?

私は悲劇のヒロインじゃないんだよ!?

「小夜…昨日……言ったことはホントなの?嘘ついてないの?ホントは春斗先輩のこと好きなんでしょ?」

「嫌い――…」

私は愛実の顔を見て、そう呟いた。

「…ホントなのか?」

私の後ろから声が聞こえた。

いつもなら回りにうざい女がいるはずなのに今日はいなかった。

「…春斗?……いい?今、言ったことはホントだからもう私に関わらないでね♪」

私はその場所から離れた。なぜだろう……?体が勝手に動いたような感じがした。



愛実は小夜が言ったことを確認をし、春斗先輩に話しかけた。

「……春斗先輩…小夜は先輩のこと好きだと思います。だけど言えない理由があるんだと私は思います。先輩は好きなんですよね?」

「…好きだ…だから今日、コクろうかと思って女どもと縁を切ったのに……どーしてこんなことに……」


私の素直な気持ちはいつ消えてしまったのだろうか……?

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