《MUMEI》
a fairy tail 〜お伽話〜
俺は思い切って神流に聞いてみた。
「俺はどうすればいいの?」
神流は困った顔をした。
そしてこう答えた。
「私もこんな事は始めてだから、
 自分自身どうすればいいかわからないの。」
すると、怜さんがこう続けた。
「アタシは昔、お母さんにあるお伽話を
 読んでもらったことがあるの。
 その内容はアタシたちが、住んでいる天空(アトラス)の
 アクエリアムをなぞって書かれた本なんだけど、
 それは、コンピューターが暴走する話なの。」

・・・それって、今の状況と全く一緒じゃないか・・・!!

「この本を書いた人は
  “いつかの遠い未来これと同じことが起こるだろう。”
 なんて言ったから、周りの人にすごく馬鹿にされたらしいの。
 その上、
  “今の社会(法律)に反する考え方だ”
 とも言われて、追放されたらしいの。
 でもアタシの家は、
  “この人の考え方が正しい”
 って、ずっと信じてきたから、この本が家にあったの。」

この事は、神流は知らなかったらしい。
でも俺は、そんな事よりその作者の人のことを思った。

 “もしかしたら、この人は、未来を予知したのかもしれない。
  だから、自分の命を惜しまずに、皆に警告したのかもしれない。”
 と。

その日の夜。
神流が寝てから、怜さんが俺に話しかけてきた。
さっきのお伽話の続きを。
俺はそれを聞き、とても驚いた。
怜さんはその話を最後までしてくれたが、
俺が覚えてるのは、その一部。
一番衝撃を受けたところ。

その話の英雄は・・・
 
 “地上(イーズランド)からやってきた人間だった。”

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