《MUMEI》
愛しい人の声で目覚める
私はあの後、自分の部屋に戻った。ずっとずっと考えていた。



未来のことを



憎む――…



私は憎みます。一生許しません。

だって運命の人だったのだから

「……私は何がしたいの?」

そう思った瞬間もう一人の私が話しかける。

幸せになりたい……?

いいや… そうじゃない

不幸になりたい……?

いいや…

何がしたいの?

……もしかしたら死にたいのかもしれない……

死ねるの?

私は刃物を手にした。そして私の体に突き刺す。

死ねないね……私は死ねない体なんですから

そんなのことわかってるはずなのに涙が出てくる。

どうやったら死ねるのかな?

早く春斗のそばに行きたい

どうやったらそばに行けるの?

……未来に殺してもらう?

えっ……?

そうしてもらえばいいじゃない?そうしたら簡単に死ねるよ♪春斗のそばにもすぐに行けるわ。

そうだよね――…

私を殺せる唯一の人物なんだから。

でもどこにいるの?

願えばいいじゃない。未来だって願って小夜になったんだから。さぁ願いなさい!!

私は悪魔のささやきにのせられ、死の道へと歩こうとしていた。

『さ………や……』

誰?

私を呼ぶ声は?

小夜…気にしないで。願いなさい。

『……小夜!!』

「春斗!?」

間違えるはずない!!

この愛しい人の声を…

『…小夜。自分を見失うな!!お前らしく生きろ……』

そう言うと声は聞こえなくなった。

私は何をしていたんだろう…

悪魔のささやきなんかに惑わされて…

こんなんじゃー春斗が心配で静かに眠れられないね――…

春斗ありがと…

私はまだまだ強くなれそうです。私は自分らしく生きて見せます。



あなたの分まで――…



「小夜!!」

急に七島が私の部屋に入ってきた。とても慌ててる様子で。

「…どーしたの?」

「人を食らうものが出たそうだ!!今から行けるか?」

行けるか?ですって?そんなの行くしか選択肢ないくせに。

「もちろんよ!!」

私はベッドのそばにあった剣を持ち、七島のあとに続いた。

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