《MUMEI》
集結
………………………………



長い道のりだった。


手にする物の大きさは計り知れなく、


どこか非現実的な物にさえ感じられるほど遠くにある。


だが、
彼らはここまで来た。


頂点に立つ為に、


ただひたすらに走った。


気付けばそれはもう少しで手の届くところまで来ていた。


最後の砦は、


これまでのどんな壁よりも強靭。


理解はしていた。


確率という数字でそれを表した時、


勝機は限りなく0に近いということを。


だが理解する頭とは裏腹に、


気持ちは思った以上に落ち着いていた。



………………………………














pipipipi!!!!pipipipi!!














………………………………



    高校総体
     最終日



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「…」



シャーッ…



カーテンを開けた外には、
快晴の太陽が姿を見せていた。



「………うっし。」

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