《MUMEI》

………………………………



「先輩たち来てっかな?」



「…さてね。」



「てか、やっぱどう考えても時間早かったよね?」



「わかってっけどさぁ、目が冴えてんだからしゃ〜ねぇじゃん。」



「まぁね。」



「なんだかんだで千秋も早く起きてたじゃん。」



「はは…昨日は2試合…まぁどっちもワンポイントの起用だったけどさ、


それでも緊張とか色々あって普段よりもすげぇ疲れた。


いつもならぐっすりのはずなんだけど、


な〜ぜか俺も目ぇ冴えちゃって。」



「あ〜。


俺もコンディション的には最悪のはずなのに、


はっきり言って昨日以上に動ける自信があるわ。」



椎名と千秋。


集合場所の赤高へと向かう2人。


まだ早朝。


人の通りは少なく、


特別な朝だということを余計に意識させた。



「あれ…」



「だ〜れもいないじゃん。」



赤高裏門。
そこに人の姿はなかった。



「何?やっぱ俺らが1番乗り?」



「いや…ちょっと待って…」



(…声?)



裏門に人の姿はなかったが、


そこにそびえる体育館からは確実に人の声が聞こえていた。



「…全然1番じゃないんじゃね〜の?」



「みたい…だね。」



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