《MUMEI》

「もう皆来てんの?」



「いや、ユキさんと沖さんはまだっすね。」



「あ?沖さんはまだしも、ユキさんが来てないとは意外だな。」



「そうっすね…確かに変で」



「椎名ぁッ!!千秋ぃッ!!」



「あ〜ッ、おざぁっす。」



「お前らも早く混じれ〜。」



「う〜っす。」



(…って、こんな早くから張り切って試合前にバテたらどうすんだよ。


ま、自分たちメインじゃなく1年に教える程度にしてるあたり、


少しは考えてんのかもしんね〜けど。


それに…


それに…選手、


としてこの体育館で練習すんのも、


あの人たちにとってはマジで最後になるかもしんね〜しな…)



「ん………?」



(いやいやおいおい…


何負ける前提のこと考えてんだ俺は…


ちげぇだろ。


1年の力付けてりゃ全国で勝ち進むのに有利になる。


その為だ。


ったく…


これじゃ昨日の千秋となんら変わんね〜よ…)

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