《MUMEI》

boooooon…



理紗の起床から約30分後。


クロたちは2台の車で赤高へと向かっていた。



「zzz…zzz…」



車内。


運転するクロの隣で静かな寝息をたて眠るヤマト。


後部座席では恭介が同様に眠っていた。


赤高まではクロの自宅から約10分程度。


そんな僅かな時間に眠りに落ちる程2人は疲れていた。


後ろを走る美紀の車は理紗が運転。


美紀は助手席でうつらうつらとしながらも何とか意識を保っていた。



「…」



2人が眠っているから。


それもあったが、


車内はやけに静か。


2人と同様に徹夜していたはずのクロにとって、


それは本来非常に危険な状況だったが、


不安の入り交じるその心理状態には、


静かすぎる朝の空気は心地が良かった。



(…昨日の試合であいつらにも得た物はあった。


それが成長の糧にもなるんだろうさ。


けど…


昨日の今日で劇的に実力が上がるなんて魔法みたいなことは起こらない。


現状の手札で戦うしかない。


となると、


僕がその手札をどう使うかで勝負は決まる。


ただ…


今回ばかりはさすがに手札の使い方が見えてこないけど。)

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫