《MUMEI》 「全員集合してんだよね?」 「いや〜、残念ながらユキヒロが来てないすねぇ。」 「あぁ?」 「自覚が足りないんすよねぇ。」 ボソッ… 「沖さんだって来たのクロさんの10分前くらいじゃん…」 (…まだ時間より早いし、 早く来ないことを責める気はないけど、 1年まで揃ってるこの状況でキャプテンがいないってのはイマイチ締まんないな。) 「んじゃあ仕方な」 ガラッ… 「おは…ってあれ?」 「おっせ〜よバカ。」 狙われたかのようなタイミングで現れるユキヒロ。 「や…予定よりは確かに遅れたけど、 まだ時間より30分以上はえぇし、 お前らこそ早すぎだろ。」 「ま…い〜から。」 全体のぐだぐだした雰囲気をクロが断ち切る。 「着いて早々に悪いけど余裕もそろそろ無くなって来たから簡単に1回締めるよ。」 「あ、うっす。」 クロの元へと集まる選手たち。 「本格的なミーティングは試合前にやるとして、 まず、 気持ち引き締めてから会場に行こうか。」 「おっす。」 「…やれることはやった。 短期間とはいえあの厳しい練習良くやってきたよ。」 「へへ…」 クロの言葉に笑う選手たち。 「………勝ちに行くぞ。」 「………うっす。」 「円陣…は、向こうでやろうか。」 「了解す。」 「…」 体育館の窓から差す光はいつもとは違って見えた。 「んじゃ…向こうで。」 「おっす。」 選手たちは着替えを済ませ、 体育館の隅に置いていた荷物を手に取る。 「………行こう。」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |