《MUMEI》
弱味
明らかに動揺した目で、陽菜が僕を見つめる。

「見てたんでしょ?僕がチ●コしゃぶってたとこ」

「…ち…、ちが……」

「違わないよね?どうして嘘つくの?」

陽菜は、黙ってしまう。

「…そうやって黙るの得意だね?そのことを言いたかったんじゃないの?」







佐伯に絶対服従を誓ったあの日から、僕は佐伯の犬だった。
佐伯のイジメは、本当に酷かった。
陽菜がいなかったら僕は、自殺していたかも知れない。


…──そんなある日、佐伯が体育倉庫に僕を呼んだ。

佐伯や佐伯の取り巻きたちが機嫌の悪い日、僕はサンドバッグにされる。

奴らのストレス発散の道具にされることなんか、慣れっこになってた。
殴られたり蹴られたりしている間、陽菜のことを考えていれば涙が零れるどころか、笑みが零れる。


けどその日は、いつもいない人がいた。

同じクラスの吉田。

背の高い彼は、クラスでいつも独りだった。
僕みたいなイジメを受けてる様子はなかったけど、いつもヘラヘラしている彼は、みんなから気味悪がられていた。

「吉田がさぁ、オマエのこと好きなんだって」

佐伯が言った。

「……へ?」

僕は意味がわからなくて、間抜けな声を出した。

「こいつちょっと頭おかしいだろ?このまま放っといたら一生童貞になっちゃうからさ、オマエ相手してやれよ」

相手…?
なんの…?
僕が考えていると、佐伯が吉田のズボンを下ろした。

取り巻きたちが笑い、吉田は恥ずかしそうにヘラヘラ笑っている。

「早くしゃぶってやれよ」

「…で、できません…」

「あ?」

佐伯がすごんだ。

「だって…男同士だし、吉田くんだって……」

「吉田はオマエが好きなんだって。それに女みたいな顔して男同士とか言ってんじゃねぇよ、眞季ちゃん」

佐伯はそう言って笑ってから、僕の耳元で囁いた。

「オマエが嫌なら陽菜にやらせてもいいけど」

佐伯のこの言葉で、僕は大概のことに決心がつく。
それが脅しなんて、そんな生易しいものじゃないのを知っているから。


この日も、それは例外じゃなく、僕の心を決心させた。


吉田の性器に触れると、だんだん大きくなって、今まで包皮で隠れていたその部分は強烈な匂いを放ち、透明な体液が垂れていた。
あまりにも強烈な光景に、吐き気が込み上げるけど、

「早くしないと陽菜が犯されちゃうよ」

という佐伯の言葉で僕は、なるべく味がわからないように、口の中を唾液でいっぱいにしてから、吉田のソレを一気に咥え込んだ。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫