《MUMEI》

いきなり過去の私が現れる。もちろん幻覚。
“赤くんだー!”
「え!ちょっと!?」
“小さい頃から言ってたけっこん、できる歳になったね”
「!?」
“赤くん愛してる〜!”



八ッ!
意識がもうろうとしていた私。気づけば私は自分の部屋に居た。ベッドに。寝てたのか………。ん?ベッドの上には私しかいないはず………。チラッと布団をのける。
「のわー!!!?」
ベッドに赤くんが隣で寝ていた。
「ん……。スースー」
寝てる…、ん?
口元に…………牙?
「んあ………。はよ」
「おはよって今何時!?」
時計を見ると
AM10:48
「遅刻ー!!!!!」
赤くんの口元に牙がある話なんてすぐ忘れ、いそいで着替える愛莉。
「いってらっしゃい」
赤くんはまだ眠たいからか、布団の中に潜り込む。
「俺朝が苦手なんだよ……」
「ふーん…て!こんな事してる場合じゃない!」

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