《MUMEI》 救世主「ん…」 「おはよう、池田君。大遅刻だよって僕もか…」 私は小さな部屋にいた。どうも駅のような騒がしさは聞こえない。 「スイートルームです。お嬢様(にっこり)」 「近藤先輩〜!?」 「愛莉…。ずっと君を見守ってきたけど…。もう我慢できない…」 「先輩?キャ!」 ベットに倒され、動けない状況になった。もしかしなくても…。 「赤君!助けて!」 「赤君…?森山赤也か?大丈夫。結界を…」 ドゴーン! 「な!」 「人のいいなずけに手を付けないでもらえます?」 「赤君!」 「森山…!」 怒りで満ち溢れる近藤。 「まさか。魔界に戻っていたとは…。魔界の奴等は知っているのか?」 「知らないさ。僕は愛莉と無断で結婚するから」 「はぁ!?」 「政略結婚か…。王妃と結婚して王になろうとするとは…。下劣な男だな」 「貴様が愛莉のいいなずけだろうが関係無い…。貴様にはここで死んでもらう!…とこだが」 近藤は立ち上がり私を解放した。 「今日は見逃してあげる」 「不利になることしましたね…。一生近づけないことになりますよ」 「絶対僕は愛莉を嫁にするから…。」 悪戯っ子のような顔で笑う近藤。 「じゃあね。」 前へ |次へ |
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