《MUMEI》
混乱
佐伯に抵抗する陽菜は、今にも泣き出しそうで、見てるとゾクゾクした。

「佐伯くんの好きにしていいよ」

僕が言うと、陽菜が叫んだ。

「やだっ!!眞季っ!嘘でしょ!?ねぇっ!!眞季っ!!!!」

陽菜の傍に行って、頭を撫でてあげた。

「これは罰だよ…陽菜が僕に嘘を吐いた罰」

そして佐伯に聞こえないように、耳元で続きを囁いた。

「本当に僕以外の男と仲良くしないなら佐伯が相手でもイッちゃダメだよ?イかなかったら許してあげるから」

陽菜は何も答えずに、不安そうに僕をじっと見つめた。

「今森のオマエを見る目が飼い犬だな」

僕と陽菜のやり取りを見ていた佐伯が、笑った。

「陽菜はマゾだからね…虐められると感じちゃうんだよ」

「へぇ…金魚の糞に虐められて、こんななっちゃったのか」

佐伯は見下すような目で陽菜を見てから、僕みたいに陽菜の匂いや反応を楽しむでもなく、乱暴に服を剥ぎ取ってあっという間に全裸にした。
陽菜は佐伯から顔を背けたまま、唇を噛んで耐えている。

「マゾってことは、だいたいのことは耐えられるってことだよな?」

「うん、道具も好きに使って?」

僕は今持ってる全ての道具を、佐伯に渡した。

「…ゃ…やだっ…眞季っ、やだっ……」

「ははっ、なんだコイツ。道具見た瞬間パニック起こしたぞ」

狼狽える陽菜を見て、佐伯が笑った。

「パニックじゃなくて喜んでんだよ…」

「ふぅん…」

佐伯はそう言ってニヤニヤ笑うと、道具と陽菜を見て暫く考えたふうにしてから、パイプに繋がった手錠を外して陽菜を床に座らせると、手錠をベッドの足に繋ぎ直し、それから陽菜の足を大きく開いた状態で縛った。

「最後に言っとくことあるか?」

佐伯が言うと、陽菜は僕を見た。

「…眞、季……眞季…っ」

「なんだそれ」

佐伯が笑う。
僕の名前を何度も呼び続ける陽菜の呼吸が、だんだん途切れ途切れになって陽菜は、涙を流しながら苦しそうに喘ぎ始めた。

「…戸村、袋持ってきて」

佐伯に言われ袋を持ってくると、佐伯は陽菜の口に袋を当てて、

「過呼吸起こしやがった」

と笑った。

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