《MUMEI》
震えてる声
「未来!!計画が違うじゃないか!!」

うるさい…

「別にいいじゃない。私の勝手でしょ?それに計画通り小夜姉様をドン底に落としてやったわよ」

「……」

文男… そんなに気に入らないの?

それにこれは私のための計画なのに文男に口出しされたくない。

「…ちょっと外に出るわ」

「未来!!待ちなさい!!」

嫌なの……

人に振り回されるの。



ジロジロ

この格好じゃー目立つわね?

私は路地裏に入った。そして私は“小夜”になった。

「…あれぇ〜?小夜ちゃん?」

誰?

ジロジロ

うっ またジロジロ見てくるし、なんなの?この子?

「…今日、日曜なのになんでぇ制服なのぉ?」

制服?

これって制服って言うの?

「…小夜ちゃ〜ん!!どーしたの?また具合が悪いの?」

あぁー

この子ウザい。

私、ウザい女大嫌い!!!!

「どーしたの?……それにしても春斗先輩は?もしかしてぇ付き合い始めたのぉ?」

春斗先輩……?

あぁーあの男?一応イケメンだったかな?

「…ねぇ……ホントに小夜ちゃん?」

「!?」

「…ねぇ なんで黙ってるのぉ?」

バレる?

「…あなた小夜ちゃんじゃないよね?」

バレたか――…

「…そーよ♪私は小夜姉様じゃないわ。バレたってことは…私はあなたを殺さなくてはいけなくなったわ♪」

「…それどーゆうこと?」

グサッ

「こーゆうこと♪」

ウザい女は切り口を手で押さえ、その手を見ている。

「……なにこの血…?…」

私はウザい女の腹を刺した。言葉通り。

「…あんたの血だよ?」

「……あんたは…誰よ?」

睨みながら質問をしてくる。

「…未来……小夜姉様の妹よ……」

上から物を言う私。

ゾクッ

(なに、この子。目の前で人が死にそうなのに何も感じないの?)

「…バイバイ……」

グサッ

私はもう一発、頭に刺した。

ふーん。頭から血っていっぱい出るんだ。小夜姉様にやったら死ぬかな?

「…さ……や…」

まだ生きてたの?しぶとい女。

「…文男。いるんでしょ?」

「…気づいていたのか?」

「……文男!!私は何になるのだ?」

「…この世界を征服する方です。未来様」

文男は私に礼をする。

「……そうその通りよ♪だったら子のからケータイを取り出し小夜に電話をしなさい」

「……おおせのままに…」

〜♪〜♪〜♪〜

『…愛実?……どーしたの?』

この子…“愛実”って言うんだ。

「…文男、代わりなさい」

私は文男からケータイを奪い取った。

「…小夜姉様?こんにちは♪この子、愛実だっけ?この子の命が欲しければ早く私のところに来なさい」

『…愛実!?なんで愛実が!?愛実は関係ないじゃない!春斗の時だって……関係ない人を巻き込まないで!!』

「……だったら小夜姉様が死んだら?そしたら小夜姉様は何も見ないですむわよ?」

『……私が死ぬ?』

もしかして小夜姉様が動揺してる?

声が震えていた。小夜姉様の初めて聞いた。震えてる声を。

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