《MUMEI》
迷い
あの電話の次の日。
お母さんからある提案があった。

「ねぇ、しばらく部活休んで
 華恋ちゃんの家に泊まらない??」
「え!!???」
「昨日電話で言われたの。
 もしあなたがいいなら泊まりにきてって。
 そうすればお見舞いに行きやすいでしょ??」
「う・・ん。ちょっと考えてみる。」
「考えるのはいいけど、今日は部活よ??」

      “!!!!!!!!”

「行ってきます!!!」
僕はあわてて出て行った。
家を出るとあいつが立っていた。
「なぁ、祐介。」
「ん??どうした??何か暗いぞ??」
「まぁ・・・な・・・・。」
「あのさ・・・華恋が今入院してるんだって。」
「え・・・・・・まじ??」
「うん。しかも・・・・。」
「しかも??」
「いや・・・なんでもない・・・。」
「・・・・??」
ここで一回会話を終えた。
帰り道また話すといって・・・・。


「で・・・・華恋ちゃんの話してよ・・・!!」
「あ・・・う・・・うん。・・・・。
 入院してるって言ったじゃん??」
「うん。」
「余命一週間だって。」
「はぁ!???まじで言ってる??」
「うん。」
「・・・・・・・・。」
「僕、華恋の家に泊まりに行こうと思ってる。
 いいと思う??」
「・・・・・。」
「でもさぁ、柚子の誕生日にかかってるんだよね・・・・。」
「そっかぁぁ・・・・。
 行けばいいじゃん華恋ちゃんの家。」
「え!??」
「だってお前華恋ちゃんのほうが好きでしょう??」
「!!!!」

カラスの鳴き声が響き渡った。 

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