《MUMEI》
おんりちゃん
一軒の家の屋根に一人の少女が座っている。少女はさっきの出来事を思いかえしていた。 職員室― 『ごめんなさい。音無さん。先生は、音無さんならって思ったの。だ…だから…』二ノ宮という先生が涙を流して話していた。『嘘こけ、二ノ宮。あたし、絵下手なの知ってんでしょ。ど―せ、恥さらしにしようとしたんだろ。二ノ宮なんて、信じられるかよ…。』おんりは冷たく言い放ち、職員室を出、家まで走って帰った。 「おんり!降りてきなさい。六年にもなってみっともないでしょう!」ウザイお母さんの声が聞こえた。おんりは屋根の上が好きだから、降りる気はさらさらない。
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